東北ハツ!

東北ハツ! インタビュー vol1 家族の団らんの真ん中にこの一冊「セレモニーみやぎ」

東北ハツ! インタビュー vol1

※東北ハツ(初・発)が増えるときっと東北は元気になる。
 そんな視点で東北の地で活躍しているさまざまなリーダーにインタビュー
 東北ハツのキーワードを探る。



家族の団らんの真ん中にこの一冊「セレモニーみやぎ」
~死を考えることは今を生きること~



株式会社 アートセレモニー
代表取締役社長 佐藤律子氏



宮城県仙台市、ここに2つの事業をもち、東北ハツを行っている社長がいる。
ひとつは結婚に関する情報誌「アートブライダル」の発刊や婚活バスツアーなど結婚に
関するサポートを行う事業、
そしてもう一つは、「今を生きること」と「お葬式」を考える全国初のフリーペーパー葬儀情報誌
(セレモニーみやぎ)を発刊する事業。
「縁起でもない」ことから、人生最後の晴れ舞台へをコンセプトに、一家に一冊、イザというときの
「どうすればいいか分からない」を解決することを目指したこの一冊。
「この本を家族の団らんの真ん中にみんなで大切なことを話し合ってほしい」という
株式会社アートセレモニー代表取締役社長 佐藤律子さんを取材した。

これまでに結婚に関するサポートはたくさんの実績がある佐藤社長が、
そのまた真逆ともいえるお葬式に関する情報誌を発刊するにいたった経緯とともに
東北ハツ(初・発)に関する大切なことをお話いただく。


●こういう情報が自分がほしい

ー今回の発刊のキッカケはどのようなことだったのでしょうか

「震災があったから作ったんでしょ?」とよく言われますが、実はその一年前くらいから発刊を
考えていました。その当時私の周りでは親戚の不幸が重なり、お葬式に関わることが急に多くなった。
そんなこともあり、もし自分の近親者がなくなり、自分が喪主となったり、また自分自身が亡くなったとき、
どうすればいいのだろうと思った。親戚名簿すらわからない(笑)
誰に何を聞いたらいいかもそもそもわからない。わからないことだらけだ、と気づいたのです。
生きている限りいつか人は死を迎えます。必ず死ぬのに、なんでこんなに知らないことが多いのだろう、
知っておいたほうがいいことがたくさんあるのにと思ったのです。

こと葬式に関しては、実用書と呼ばれるもの以外、世間にはなく、
私たちが知りたい本当に基本的なことに関して知り得る、ちょうどいいものが無かった。
幸い我が社には、ブライダルの情報紙のノウハウがあったので、
みんなが知りたい情報を読み手側の視点で編集したものが出せないかなと思った。
なにより私自身が、こんなのがあったら便利!と思ったのがキッカケです。

このアイディアを周りの人に相談した佐藤社長、反応は、基本的には「あるといいよね」
という感触ではあるが、死に関わる葬儀という分野にシロートが触っていいものか・・
という雰囲気が感じられたという。周りの反応をみて、ダメなのかな?と自分のなかで
GOサインが出せずにいたが、そこに今回の東日本大震災。
誰もが「まさか!」ということが周りでおき、実際に自分事になったとき、わからないことだらけを経験。
そうなると今度は、そういう(葬儀)情報は必要だと反応が変わっていった。
震災がすべてではないが、もともとあったこの企画に対し震災が後押しをして、
今回発刊を決意につながった。

●あったらいいな、を形に。

ーこのような葬儀に関する情報誌というものは今までなかったのでしょうか

アイディアとしては昔からあったようです、ですが今回のように形にしたのは
我が社がはじめて。東北初というより全国初のフリーペーパー型の葬儀情報誌です。
あったらいいなというものを形にしました。

●家族みんなでこの一冊を

ー発刊するにあたり、確信というか勝算はあったのでしょうか

確信というより、あったらみんなが喜ぶだろうなというイメージがありました。
食卓後の団らんで、この冊子が登場し家族で話をしているイメージのゴールが私の中にありました。
70、80代の祖父母世代、
喪主になることが多い50、60代の父母世代、
そして孫世代の30、40代。この3世代が輪になって話をしているイメージです。
そう、死はひとりのものではなく、家族に関わることなのですから。
そのイメージに向かって動いていったという感じです。
フリーペーパーのノウハウはあったので、読む側のイメージはありましたが、
広告掲載をしていただけるクライアント探しは、まさに初ということで最初は苦労しました。

●クレームも覚悟していた

-実際に発刊してみての反応はいかがでしたか?

こちらが驚くくらい良かったですね。最初はクレームも覚悟をしていて。
周りからも「クレームも多いよ」と言われていましたから。
ですが実際は、クレームではなく、配布させていただいた読者の方から
「消費者に沿った内容、目線でとても読みやすい、役立つ情報ばかりで重宝している」など、
お礼の電話を頂戴するぐらいの反響でした。
やはり、みんなこういう情報がほしかったんだと、これは必要なんだと確信。
作って良かったと思いました。郵便局にも協力いただき、窓口で配布できたのも大きかったかもしれません。

佐藤社長の視点は、いつも生活者視点。こんなものが、こんな情報があったらいい!を大事にしている。
いままでの情報は葬儀業界側からの情報、そこには生活者が本当に知りたいと思うことが
少なかったかもしれません。そこに対して親切丁寧にまとめた情報を届けたことが喜ばれた大きな要因に。

●応援と共感が半分半分

-今回お伺いしたのも「東北ハツ」というテーマからですが、佐藤社長にとって
今回どんなハツがありましたか

 今回はハツづくしですね。全国初ですから前例がありません。取り組むことすべてが初めて。
クライアント様も初の取引が多数。いいものだと自負をもって営業をしていましたが、
前例がないのでご理解いただくまでが大変でした。
まだ形がないものですから、想いに共感してもらうしかない。
実際今回は共感いただいたクライアント半分、私どもの取り組みに対して、
がんばれとご祝儀的に応援していただいたクライアント半分だったと感じています。
中身の編集も初でしたので一苦労。苦労したかいもあり、好評いただいたのが、
「思いやりノート」です。エンディングノートというのがありますが、実際に私も書きましたが、
量が多すぎて書ききれない。そこから要らないは省き、残しておきたい情報をバランスよくまとめました。
「これを書いて残しただけで遺言にもなる」と読者の方の評価が高かった。エンディングではなく、
思いやりと言葉を変えたのよかったようです。実例がないので、言葉に共感をいただくことが大切でした。

初めての、手探りのなかでの制作でも評判がよかったのは、シロートだからいいものが出来たかもしれない、
と佐藤社長。その業界の先入観、知識がないぶん、生活者の視点で考えることできた。
シロートの良さとダメなところはもちろんあるが、ダメなところは専門家に支えてもらう。
誰もが初めからプロではない。なにか事を起こそうとしたときに、完璧になるまで動かない、
やらないという人がいるが、全部自分一人でやろうとしないほうがいいともアドバイス。
ある意味佐藤社長は「生活者のプロ」そんな切り口もみてとれた。

●コツは気合い(笑)

ー今回の冊子以外にも佐藤社長は業界初、発をたくさんおこなってきましたが
 なにかコツなどはあるのでしょうか

 やるコツは気合いですかね(笑)よく人から行動力があるねと言われるが、自分では自覚したことがない。
行動力というよりむしろ好奇心のほうが大事。未開拓なものにそそられます。
これは昔からですね。新しいことをやるうえで、恐怖心より好奇心がいつも勝ります。
好奇心として「なんとかなるさ」と思っているところがあります。
失敗したらどうしよう、失敗の先を考え、なんとかなるかなと思ったらやります。
ですがちゃんとその分、引き返すポイントは決めて動きます。

恐怖心より好奇心。これが大きなポイント。デメリットやリスクを考えたうえで、
どうにかなると思ったらまず方法はわからなくても、自分にGOサインをだす。
それがなかなか、わかっていても出来ないところ。佐藤社長も新しいことをたくさんしてきているが、
決して無鉄砲ではなく、無謀なチャレンジはしない。
なにかやるときは、それぞれなにかしらベースがあり、それを活かしているそう。
同時に自分の責任とれる範囲をきちんと線引きしておくことが大切なポイント。
そして自分には足りないところを補ってもらうにも、こちら側だけの思いだけで、
やってもらうことはぜず双方メリット(金額だけでなく、経験なども)を
きちんと整理しておくことがいざというとき手伝ってくれることにつながる。
きちんと自分のルールをもつことが大切。


●将来は百科事典のような存在に

ー今後のセレモニー宮城の展望があれば教えていただけますでしょうか
 
今後も読み手に有益な特集記事をつくり、思いやりノートは進化させていきたい。
次回は知っているようで知らない「お寺」を特集する予定。
お寺に対しても私たちは知らないことが多すぎると思う。知らないのにこんなに払うの?という不安が
あったりもする。知っていれば納得できることも多いですよね。
その後も相続、財務、会計、介護や終活など幅広くテーマを考えている。
それらをまとめることで一家になくてはならない百科事典のような存在になってくれたらうれしい。
ゆくゆくは宮城以外でも地域の特性を活かした内容で展開していきたい。


●己で見つけるしかない

ー最後に、東北ハツを考えている人へのアドバイスお願いいたします

東北発や東北初が増えることはいいこと。でも、その道は自分で見つけるしかない。
人のマネは楽だし、マネすると上手くいくかもしれない。でも根底になることは、
人から教わるものではなく自分で発見するものです。自分の中にあるものを取り出すということでしょうか。
発信に関しては、自分がいいと思うからといって独りよがりにならず、逆に相手がいいと思えば、
自分がその表現などはいいとは思わなくてもいい、固執しない、そのほうが伝わるのであればそれでいい。
いずれにしても自分のフィルターを通して、相手にとって役立つものであることが一番大事。
東北の為になにかしたいというのであれば、まずは自分の持っているものを取り出してみるのがいいでは
ないでしょうか。


編集後記
自分の仕事は究極的には発信することと話す佐藤社長。
情報を発信する側、受ける側両方の視点を常にもち、伝わる言葉を選ぶ。
生活者の視点で、あったらいいな、を形にしていくことは、
自由大でチャレンジしていること大きく重なります。東北ハツもひとりよがりにならず、
お伝えしていきたいと感じた取材でした。
佐藤社長、このたびはお忙しい中取材に応じていただきありがとうございました。
次回の「セレモニーみやぎ」が楽しみです。どんな視点を大事に作られているのかを感じながら読むと、
また新たな見え方があるかも知れません。
事務局 後藤

追伸
事務局後藤は、先日佐藤社長とともに、次回のテーマお寺ということで
臨済宗国宝瑞巌寺の禅修行1泊2日ご一緒させていただきました。
とても貴重な体験でした。また機会があればご報告させていただきたいと
思います。


取材協力
株式会社アートセレモニー
代表取締役社長 佐藤律子氏
http://www.artceremony.co.jp/
http://www.artbridal.co.jp/
〒980-0803 仙台市青葉区国分町1-1-11 スズキビル2F

(日本銀行仙台支店裏、歯科医師会館斜め向かい)

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